2013年4月14日日曜日

春の紅葉

 





 新緑の季節ですが、今、紅葉している木の葉もあります。

 これは楠の落葉です。何気なく見ているとほとんど目につきませんが、よく見ると、このようにとてもきれいです。

 楠は常緑樹ですが、桜が咲くころ、葉が入れ替わります。紅葉と若葉、つまり、滅びと誕生が同じ木に混在しています。

 ちなみに、2012年4月29日付の「萌える若葉 その2」は、この時期の楠の若葉です。

  



2013年4月13日土曜日

至福の85リットル その2




 以前、85リットルのザックひとつで、幸せいっぱいの山旅ができる、という話をしましたが(2011年9月19日付「至福の85リットル」)、85リットルで幸せになれるのは、何も山旅の時だけではないと思うのです。

 科学技術の目覚ましい進歩は、原始的生活に憧れる人ばかりでなく、快適な文明生活を求める人にも85リットルの持物で生活を送る可能性を与えてくれました。

 ひと昔(ふた昔?)前、ひとり暮らしをするに際しても、テレビ、ビデオデッキ、オーディオ機器(アンプ、レコードプレーヤー、チューナー、テープデッキ、スピーカー等)、そしてビデオテープやLPレコード等の各種ソフトが文化生活を送るためには必要でした。また、文化人としては、ある程度の本や辞書類を所持していることも必要でした。

 それらの体積と重量は相当のものであり、狭い部屋では持ち主の居場所を奪い去り、引越の際にはたいへんな負荷となり、身軽な移動を妨げていました。

 さて、現在、それらの物のすべては、片手でひょいと持ち運べるノートパソコン1台で十分事足りるようになりました。膨大なソフト類も、パソコンのハードディスク上や、超コンパクトなメディアに簡単に詰め込むことができます。

 2立方メートルに満たないテントの中で、文明生活を営むことも可能となったのです。

 ある程度の経済力があること、独身生活を貫くことなどが前提となりますが、現代のテクノロジーと社会の利便性を有効に利用するなら、85リットルの所持品のみで、社会から遠ざかることなく人生を快適に旅することも、決して非現実的な夢想とは言えないでしょう。

 「物」の桎梏から逃れ、同時に「場所」の制約から解き放たれ、旅を住処とし、しかも社会に寄り添っている…、そういう生き様が、今の時代、選択肢のひとつとして提示されているのです。それもまた魅力的ではないでしょうか。