とんでもなく暑かった夏もようやく終わり、秋が支配権を確立しました。
秋はコントラストの季節です。影は濃さと深さを増し、明るさと透明さを増した陽差しをいっそう際だたせています。
しかし、影に秘められた底知れぬ暗さに気付かない人には、その対極としての光の輝かしさも十分に認識することはできないでしょう。
人生もまた、かくの如しです。我々一人ひとりが放つぼんやりとした燐光も、死と虚無の暗い淵を背景とする時、至高の輝きをもって人の魂を揺さぶります。
生命もまた、その本質はコントラストなのだと思います。故に、生命は不滅の存在とはなり得ないのでしょう。
…ともあれ、この季節、陽光の中で、世界は美に満ち溢れています。我々も、色づいた木の葉のように、輝かしいこの刹那を、「時」の中に織り留めようではありませんか。
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