2008年9月22日月曜日

路傍の貴顕 その8

 
 





 
 ぼくは秋に生まれました。そのせいか、風が優しくなり、虫たちが静かな交響曲を奏で始めると、ああ、また1年が過ぎ去ったんだなあ…という感慨に捉えられます。
 
 そして、透明度を増した陽光の中に佇む花たちが、ぼくに「おめでとう」と囁いてくれているように感じます。
 
 実際のところ花たちにそんなつもりは毛頭ないにせよ、ぼくにとっては、自然からの何よりのバースデープレゼントです。
 
 
 

2008年9月7日日曜日

路傍の貴顕 その7

 

   
 
 
 
 
 
 
  

 空地や堤防に、ある花が群生していると思ったら、しばらくすると、別の花に入れ替わっています。それらもまた、いつしか、次の花たちに場所を譲っています。
 
 野生の植物は、自らに与えられた時をちゃんと知り、それをきちんと守って他の植物と共存しています。
 
 彼らの規律正しい生き方を見ていると、電車の入口に我先に突進したり、車で無理な割り込みをしたりする一部の人間のやり方が、同じ人間としてたいへん恥ずかしくなります。