カタバミは、アスファルトの割れ目など、ごくわずかの隙間からも顔を出し、強い繁殖力ではびこる、どちらかと言えば嫌われ者の雑草です。
でも、このムラサキカタバミの花は、ぼくの最も好きな花のひとつです。
ムラサキカタバミは、南アメリカ原産で、江戸時代末期に観賞用として導入されたものが日本に広く帰化したそうですが(wikipediaによる)、これを愛でた昔の日本人の趣味の良さに、喝采を贈りたいと思います。
花の直径わずか2cmほどですが、シンプルな形状と爽やかな色あいが、ストレートに見る人の感性に訴えてきます。
ちっぽけなこと、ありふれていることによって、美は、いささかもその価値を減じられはしません。
ちなみに、カタバミの花言葉は「輝く心」。ぴったりです。
さて、眺めるだけで心地よいカタバミですが、食材としても、かなりの優れものです。
これはやはり、てんぷらでしょう。葉と花をいっしょに使います。衣を薄めに付け、さっと揚げましょう。衣ごしの緑とピンクが、とってもおしゃれです。
酸味のある独特の味わいが、他の食材の中でよいアクセントになります。
視覚と味覚の両方を楽しませてくれるカタバミは、日本料理の極意を体現した素材と言えるのではないでしょうか(ちと、おおげさかな…)。
黄色のカタバミも、なかなか素敵です。
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